パフォーマンスアップ!怪我や故障を予防する食事とは?

今回は、ケガ・故障を防止するための食事でポイントになる栄養素についてご紹介します。

骨を強くする栄養素

カルシウム

【多く含まれる食材】
ヨーグルト、鮭、豆腐、牛乳、ブロッコリー、ケール、青梗菜、アーモンド、枝豆、オクラ、キャベツなど

カルシウムは、体重の約1.7%を占めています。そのうち、99%が骨や歯に存在し、残りの1%が血液中や細胞外液(リンパ液)、または筋肉などの細胞内に存在しています。
カルシウムは、体内で作ることができず、食品から摂取しなければなりません。特に骨のカルシウムは日々代謝をしているため、トレーニングにより骨への負担がかかりるアスリートは、意識的に摂取をしたい栄養素です。

骨以外の1%のカルシウムは、カラダの中で様々なはたらきをしています。
筋肉の収縮や神経の伝達でも利用されるため、トレーニング効果を向上させるためにカルシウムが必須になります!

「なんとなく、動きが悪い・・・。」

これは「カルシウム不足」が原因かも?
必要量が多いカルシウムですが、収率が悪いので、食べ方にも工夫をしなければなりません。

【食べた量に対して体内に吸収されるカルシウムの割合】
乳製品:約40%
小魚や海藻:約30%
大豆製品や野菜:約20%

さらに、カルシウムは汗とともに体外へと失われてしまうので、多量の汗をかくアスリートは不足になるリスクが高くなります。
せっかく食べているのに・・・と、思いますよね。できるだけ効率よく摂取したい。そのためには一緒に食べる食材が重要になってきます。

◆ビタミンD◆
カルシウムとリンの吸収をサポートをし、骨の形成と成長を促進する働きがあります。
免疫力向上の効果も期待できるため、毎日の食事で少しずつ摂取していきたい栄養素です。
【多く含まれる食材】
かつお、さば、うなぎ、さんま、鮭、肉類、、レバー、鶏卵、キノコ類、チーズ、ヨーグルト、納豆など

◆ビタミンK◆
ビタミンKは、骨を丈夫にする働きがあります。緑黄色野菜や海藻、納豆に多く含まれます。
特に、ビタミンK2とビタミンD3の組み合わせが相乗効果を発揮します。
【多く含まれる食材】
ビタミンK2:細菌や動物体でつくられる(チーズ、ヨーグルト、納豆など)
ビタミンD3:動物性食品(かつお、さば、うなぎ、さんま、鮭、肉類、、レバー、鶏卵など)

◆マグネシウム◆
マグネシウムは、骨に50〜60%、血液に1%存在しています。骨を作るために必要な栄養素の一つで、血液中のマグネシウム が不足すると、骨からマグネシウムを取り出し、血液中のマグネシウうを一定に保とうとはたらきます。つまり、マグネシウムの摂取不足は骨の質や強度を低下させる原因に
カルシウムを含む食品に、マグネシウムも比較的多く含んでいます。マグネシウムとカルシウムのバランスが良い食品を選択することで、カラダの調子を整えてくれます。理想的なカルシウムとマグネシウムのバランスは、
カルシウム:マグネシウム=2:1です。
マグネシウムは、骨だけでなく300種類の酵素反応に関わっているといわれています。神経伝達や筋収縮の役割もあるので、積極的に摂取したい栄養素です。足をよく攣ってしまう方は、マグネシウムが不足のリス
クも考えられます。
【多く含まれる食材】
がんもどき、さば、アーモンド、カシューナッツなど

一緒に摂ってほしい栄養素を紹介してきましたが、逆に骨の形成の邪魔をしてしまう栄養素があります。それはリンとナトリウムです。

リンは加工食品やインスタント麺、清涼飲料水などあらゆる食品に含まれています。日常の食生活で摂取しないということは難しいですが、今あげたような食品はなるべく摂らないようにすることがベターです。加工食品やインスタント麺を控えるということは同時にナトリウムも控えることにつながります。ですが、アスリートは多量の汗をかくのでナトリウムの摂取量を減らすということも非常に危険です。「摂りすぎないように気を付ける」といった心掛けをもっていると良いでしょう。

骨、軟骨、靭帯、腱を強くする栄養素

コラーゲン

【多く含まれる食材】
豚足、鶏や魚の皮、手羽先、軟骨、牛スジ、豚バラ肉、うなぎ、カレイ、エビなど

コラーゲンと言えば美容のイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。実はコラーゲンは、肌(真皮)だけではなく骨、軟骨、靭帯、腱を構成するタンパク質で、体内に存在するタンパク質の20~40%を占めています。

【コラーゲンの役割】
・細胞同士を結び付ける
・支える
→皮膚や血管、骨に柔軟性を与え、丈夫にしてくれる。

スポーツで負傷しやすい部位に多く存在するため、コラーゲンを摂取することは、筋肉や腱、骨の再生を助ける効果が期待できます。
ゼリーなどに使われるゼラチンはコラーゲンから作られています。ちなみに、先ほど挙げたコラーゲンを多く含む食材を煮た煮汁が固まってしまうことがありますが、その正体がゼラチン(コラーゲン)です。

コラーゲンは「ビタミンC」と一緒に摂ると、より効率的に吸収することができます。ビタミンCはコラーゲンの合成の過程で、必須の栄養素になります。
コラーゲンを食べる際はビタミンCの豊富なフルーツも一緒に摂ることをおススメします!

いかがでしたでしょうか。怪我や故障を防ぐ方法はストレッチやトレーニングばかりではありません。あなたの身体はあなたが食べたものから出来ています。食事から見つめ直し、高いパフォーマンスを発揮する準備をしましょう!

【参考文献】
『新版 図解 スポーツトレーニングの基礎理論』(横浜市スポーツ医科学センター)
『女性アスリートの教科書』(須永美歌子)
『理論と実践 スポーツ栄養学』(鈴木志保子)

▶︎▶︎この記事を書いた人
【名前】アスラクごはん
【所属メンバー】金井 麻由美(管理栄養士)田中 千晶(管理栄養士)

関連記事

  1. 試合前必見!胃の状態をよくするための食事

  2. 女子ラクロッサー必見!生理前後の食事の摂り方

  3. 朝が早いラクロス選手の食事のポイントは?

  4. 自分にあった、タンパク質の摂取量を知ろう!

  5. パフォーマンスを大きく左右する『試合期に摂るべき食事』

  6. 頑張りすぎ注意?!いつの間に起きる疲労骨折を防ぐには

  7. 体脂肪を燃やすには糖質が必要?

  8. ラクロッサーに知って欲しい栄養のこと

  9. 夏バテ防止!ポイントは「強い内臓」?!