【ラクロス関係者必見|熱中症対策】現場で使える熱中症対策|水分補給編

熱中症ににならないために、マネージャーやトレーナーだけでなく、選手自身もきちんとした知識を身につけましょう。
今回は熱中症にならない為に気をつけたい水分補給方法についてご紹介します。

そもそも熱中症って何?

最近はテレビやネットでもよく聞くワードです。

知ってるよ、水分補給すればいいんでしょ?
スポーツドリンクとか、OS-1(経口補水液)でしょ?

そうです、そのとおり!
SGの講習会の内容にも熱中症がありますが、今日はそれを詳しく理解していきましょう!
知識を身につけて、グラウンドで使える知恵を!

マネージャーさんたちが作るボトルの中身について
今日のメインにしていきたいと思います!

キーワードは、、、
体温調節機構の破綻脱水(水分とミネラルの喪失)

熱中症はどうして起こる?

高い気温と日差しによって暑熱環境が生じると体温が上がります。
その暑熱環境の中で運動をすると、運動による
体熱産生によってさらに体温が上昇します!
この過度な体温の上昇が血液の循環に悪影響を及ぼしたり、脳の温度が上昇したりして種々の症状が表れます。

その体温が上がりすぎないように、
身体は「気化熱」というもので、
汗をかいて皮膚表面の水分を気化させる
ことで体温を下げます!
冷たい水分を摂取することでも体温を下げることができます!

とっても簡単に言うとこんな感じ、、、

しかし、体温を下げるために発汗すると身体の水分とミネラル(塩分)が喪失します!
それを補給するために「水分補給」をすることが盛んに言われています。
練習中も「しっかり水分摂って!」とマネージャーさんに言われてるんじゃないでしょうか?

脱水が進むと身体を巡る血液の量が減り、脳や内臓への血液の供給が減るため、
筋のけいれん(筋肉がつる状態)、頭痛、吐き気・嘔吐、立ちくらみなどが起こります。

体温の上昇と脱水がもっと進むと脳の機能がダウンしてしまい、激しい嘔吐や意識障害となり生命に危険が及びます!

見当識障害といって、反応・返答がおかしい・遅い、わけのわからないことを言う状態はかなり危険ですので、周囲のひとは異変に気づいたらすぐに練習を中断させてください!

また、頭痛や頭が締められる感じ、吐き気・嘔吐は普通の状態ではありません。
そのため、そのような症状があればその選手はすぐに練習を中断してください!

熱中症の分類や症状などは少し調べると出てくるので、ここではわかりやすい図だけのせておきます!


熱中症の対応については次回のコラムで、、、

熱中症の予防について

あたりまえかと思いますが、
皮膚表面の水分を気化させること」と「適切な水分補給」が練習中にできる予防です!

湿度の高い環境と汗で濡れた衣服は気化がしにくいため、注意が必要です。
運動を始めた最初の1時間が最も発汗量が多く1時間で最大2Lもの汗をかくことができます。
そのため、多量の汗をかいた場合は練習の途中で着替えるなどの対策をとりましょう!

水分はやはり水やお茶よりもスポーツドリンクの方が良いです。
水分は身体に吸収されやすい条件があります!

高校で勉強した「浸透圧」これが重要です。

胃を通過しやすい濃度小腸から吸収しやすい濃度があり、
糖分は2.5~5%、塩分は0.1~0.2%と言われています。
(糖分:ポカリスウェット6.7%、アクエリアス6.0%)
(塩分:ポカリスエットもアクエリアスも約0.1%)
そのため、運動中の水分補給に関して
糖濃度だけを考えると、
これらのアイソトニック飲料は少し薄めたもの(2倍以内)が適しています。

しかし、スポーツドリンクに含まれる塩分(ナトリウム)は0.1g程度のため、

薄めると不足してしまいます。
これが難しい問題。。。
そのため、練習前(速やかに吸収されなくても良い、塩分の貯蔵)は薄めないスポーツドリンク
練習中・後(速やかに吸収したい)はやや薄めたスポーツドリンクを摂取することで予防に役立つかと思います!

最も良いのはハイポトニック飲料というもともと糖濃度が4%未満と低いものを選ぶことで適切な糖分と塩分を摂取できます!
ハイポトニック飲料は薄めずにそのまま摂取してください!!

等張液(アイソトニック)と低張液(ハイポトニック)

身体の浸透圧同程度のスポーツドリンクを
アイソトニック飲料

身体の浸透圧より低張のスポーツドリンクを
ハイポトニック飲料といいます。
ハイポトニック飲料の方が効率よく素早く水分を吸収することができます!

そのため、最も良いのは練習中や練習後にはハイポトニック飲料を薄めずに補給することです!

アイソトニック飲料を使うのであれば少し薄めて、でもそのときは塩分が足りないことを頭に入れておいてください!
塩分が足りなくなると低ナトリウム血症になる可能性があります。

体液は5%ブドウ糖液と同じ程度ですので、
スポーツドリンクの「炭水化物」が100mLあたり5~6g程度のものはアイソトニック
4g未満のものはハイポトニックと思って成分表示を見てほしいと思います!

思い切って商品名を書くと、、、
アイソトニック:ポカリスエット、アクエリアス、ビタミンウォーター、グリーンダカラ etc…
ハイポトニック:イオンウォーター、アミノバイタル、スーパーH2O etc…
みなさんも水分補給するときに糖分(炭水化物)と塩分(ナトリウム)に着目してみてください!

【参考文献】
熱中症環境保健マニュアル2014(環境省)
能勢博 著:運動時の体液循環調節 (1997)
Gisolfi CC et al:Fluid homeostasis during exercise.(1990)

▶︎▶︎この記事を書いた人
【名前】宮代祐希(みやしろゆうき) Twitter , Instagram
【所属チーム】法政大学女子ラクロス部
【所有資格】理学療法士、JSPO-AT
【現在の職業】児童福祉施設職員、トレーナー
【経歴】
筑波大学大学院 人間総合科学研究科 修了(修士)
筑波大学女子ラクロス部 ’15〜’17
法政大学女子ラクロス部 ’18〜

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